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せめてものグッバイ

問題解決のヒントを心理学で探るブログ

変わりダネ書店が売っているのは「本」ではない?

出版不況で本が全く売れない時代だと言われています。

 

私自身も以前は雑誌をよく購入していたのですが、ここ数年ほとんど買っていないんですよね・・・。あんなに好きで毎月購入していたサイゾーですら、とんとご無沙汰です。

 

2015年の書籍・雑誌の売上高は前年同期比5.2%減というニュースがありました。この減少幅は過去最大なんですね。データにも出版不況の厳しさが表れています。

 

また、出版取次の倒産も相次いでいることも大きな出来事です。出版を取り巻く環境は年々厳しさを増している一方なのです。 

 

ところで書籍というものは、どの書店でも同じ値段で買えます。もちろん、どこで買ったとしても同じ内容です。スーパーの生鮮食品のような割引販売ができません。

 

つまり、書店の立場から言えば本の「品揃えの量」で勝負するしかないことになります。どこで買っても同じなわけですから、顧客としては欲しい本がある可能性の高い書店に行こうと考えます。

 

そうなると必然的に巨大な売場が必要ですので、街の小さな本屋さんが他の書店チェーンと真っ向勝負を挑もうとするのはかなり難しいのが分かります。

 

アマゾンをはじめとするインターネット書店に勢いがあるのも圧倒的な在庫の多さが背景にあります。あらゆる本が揃っているので、どんなニーズを持っている人でもターゲットになります。いわゆるロングテールですね。

 

本が売れなくなる一方で、「規模の経済」によって強者はますます強くなっていくという構造があります。

 

そのような状況にあっても独自の特色を出している書店が注目されています。その中のいくつかを前回の記事でご紹介しました。

 

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こういった本屋さんを見ていると、「品揃えの量」ではなく「書店としての質」で勝負していることが分かります。

 

その「質」とは「ここでしか買えない本」であったり、「ビールを飲みながら本を選べる体験」であったりします。「本を買うこと」に加えて、なにかしらの魅力をプラスしているわけです。

 

私は先日B&Bという本屋さんに行きました。そこで行われるトークイベントに魅力を感じて足を運んだわけです。

 

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ちなみに、B&Bは空間づくりにも力を入れていてどこかお洒落カフェの雰囲気もあります。本の品揃えも週刊誌などの大衆誌ではなく、読書が本当に好きな人に向けたラインナップになっていてとても楽しいです。「ここで本を選ぶこと」自体に独自の価値があります。

 

これから書店が生き残るためには、「本」だけではなく「そこに行く理由」を売ることが重要になります。

 

本の品揃えではアマゾンや巨大書店にはかなわないのですから、「あの書店に行けば、ワクワクする」という「感情」や「体験」を売って差別化するわけです。

 

欲しい物はなんでも手に入る時代です。本というモノそのものではなく、人の感情をどう動かすのか、がマーケティング上の大きなポイントとなっています。

 

これは書店に限らず、あらゆるビジネスにはてはまる考え方です。

 

あなたの仕事は、顧客に対してどのような「感情」をもたらしているでしょうか。

 

データとにらめっこするだけではなく、「どんな感情や体験を提供できるのか」がマーケティングの原点になるというお話でした。